世間が敷いた人生のレールに意味はない。インドで受けたインパクトが私を起業へと導いた。
競合の激しいデジタルマーケティング界で、検索上位を量産する株式会社ニュートラルワークス。「湘南をデジタルマーケティングの聖地に」をビジョンに活動する三木五月CEOが経営者としての想いを語ってくれた。
アジアの旅で変化した価値観
─賢者の原点ということで、まずは起業前の経歴からお聞かせください
若い頃はアジアが好きで、頻繁に旅をしていました。きっかけは、職場の先輩に誘われて訪れたカンボジアです。以来、アジアにのめり込む中でもインドの衝撃は大きく、「世間が敷いた人生のレール」に意味はないと確信しました。誰もがパワフルで、みんな自分の人生を生きているのです。その後は22歳でアメリカに留学し、3年ほどカリフォルニアで生活していました。
─Webの世界とはいつ出会ったのでしょうか
兄に勧められたWebデザインがきっかけです。それまでの私は飽きっぽく、仕事を転々としていたのですが、コーディングは面白かったですね。そこで、Web制作のベンチャーに入社し、毎日10時から翌朝5時まで働いていました(笑)。いま思えばハードな職場ですが、Webデザイナーとしてかなり成長できたと思います。その後、スポーツメディア「Number Web」のWebデザイナーとして文藝春秋に転職しました。
人生のオーナーシップを自分が持つために起業した
─起業はどの辺りから考えるようになったのでしょうか
文藝春秋はバリューもあるし、仕事そのものにはやりがいも感じていました。ただ、働く中で少しずつ違和感を持ちはじめたのです。あまり裁量がないというか、管理されすぎているというか、自分が個として働いていないような感覚がありました。
「生涯賃金の範囲で設計する人生には魅力を感じなかった」と話す三木CEO。
─自分らしさのある働きかたがしたかった
そうですね。さらにもうひとつ、日々の通勤電車で見る大人たちの目に活力が感じられないことも気になってて。このままだと「自分も将来こうなるのか?」という不安を持ちましたね。ところが思い返してみると、アジアで出会った50、60代の大人たちは皆さん元気だったんです。これは稼いでいるかどうかではなく、自分の人生を生きているかが重要なんだと思いました。
また、雇用されていると生涯賃金が簡単に計算できてしまうわけです。人によっては安心に繋がるのかもしれませんが、その内訳で作る人生には魅力を感じなかったので起業しました。
失敗は結果とせず、過程として捉える
─起業したことで苦労したエピソードがあればお聞かせください
これまで面接をしたことがないので、採用にはとても苦労しました。特に、起業したばかりの頃は無名の個人事業なので、応募が多いわけではありません。ですから、週3日しか働けないエンジニアでもその場の雰囲気で採用してましたね。結果、作業が予定通りに進まないことも多く、その都度クラウドソーシングで穴埋めしていた記憶があります。
─大きな失敗についてはいかがでしょうか
失敗は何度もあります。特に創業時はマンパワーに依存していたので、ヒアリングのレベルが十分ではなかったんです。その結果、クライアントとのすり合わせがうまくいかず、望まれた成果物を作れなかったこともあります。ただ、その結果を活かしてPDCAを繰り返せば、より進化したサービスになるので特に気にはなりません。
─失敗に対して悩んだり落ち込んだりはしないのでしょうか
失敗とされる事象を本人がどう捉えるかではないでしょうか。かつて、満員電車で見た活力のないネガティブな光景も、私にとっては起業のきっかけになっています。また、苦労していた採用も、分析と改善によって良い人材の採用率が上がりました。ですから、失敗を結果とせず、すべてを過程として捉えることが重要だと思います。
メディアごとに異なる最適解を導く
─強豪がひしめくWebマーケティング界で、インパクトのある実績を出されています。ニュートラルワークスの強みはどこにあるのでしょうか。
企業ごとに異なる課題や、各フェーズに対応した成果を出せるからだと思います。例えば、オウンドメディアに携わる際に、そもそも載せるものがわからないという企業もあります。そこで、流入させる記事が必要な場合は、SEOを前提とした検索キーワードの設定からサポートできる点も強みです。
また、すでにメディアを持たれていて、流入はあるけどCVRが低いとういケース。この場合は、デジタルマーケティングツールで課題を明らかにして最適解を導き出します。わかりやすく言うと、病気の原因を見つけて治療を行うドクターのイメージに近いですね。これをメディアごと、フェーズごとに合わせられる対応力も私たちの強みだと思います。
「最終的には企業の売り上げを伸ばすことがデジタルマーケティング会社の役割」
─最後に、ビジネスをする上でやらないと決めていることはありますか
ビジネスの本質でないことは絶対にやりません。例えば、クライアントにとって不要な機能を追加して、利益を得るなどはもってのほか。それならば、先方の予算内で確実に成果を上げ、次のフェーズで新たな提案をするのが本来のサービスです。私はこの事業をする中で、たくさんのご縁をいただいてきました。それも、これまで弊社がお客様の信頼を裏切るような行為をしなかったからだと思います。
ビジネスで結果を出すためには、信頼を築くことが大前提と語った三木CEO。湘南に集結したプロフェッショナルたちのこれからに注目したい。
会社名 | 株式会社ニュートラルワークス |
住所 | 本社 :神奈川県茅ヶ崎市浜竹1-11-56 大阪支社:大阪府大阪市北区堂島2-1‐2 福岡支社:福岡県福岡市中央区赤坂1-14-22 |
代表 | 三木 五月 |
設立 | 2016年12月 |
Web | https://n-works.link/ |